北海道道南エリア
冬になれば深い雪に閉ざされるこの山奥で、僕は現在約50羽の鶏たちと、愛犬の縄文柴犬と共に暮らしています。
目指すは、「鶏100羽」との自給自足ライフ。
単なる食料確保ではありません。自分たちの手で環境を整え、命を育み、循環させる暮らしの実践です。
鶏舎は廃材を活用して建て、暖房に頼らず、鶏本来の生命力を引き出す。
そんなワイルドな「道南自給ライフ」も、試行錯誤を重ねて2年目に突入しました。
この記事では、失敗と脱走、そして野生動物との戦いを乗り越えて形になってきた、我が家の「自給養鶏システム」の現在地を公開します。
なぜ50羽、そして100羽を目指すのか

現在飼育しているのは、採卵鶏として有名な「ボリスブラウン」。
茶色い羽が特徴の、人懐っこくもたくましい鶏たちです。
養鶏を始めた理由はシンプルです。「安全な食料を自給したい」、そして「畑の肥料を自給したい」。
しかし、ただ飼うだけでは意味がありません。コストをかけすぎてしまっては、持続可能な暮らしとは言えないからです。
だからこそ、我が家の養鶏には一つの指針があります。
「あるものを活かす」「過保護にせず、環境に適応させる」。
現在は約50羽ですが、将来的には100羽まで増やし、より盤石な自給システムを構築することを目指しています。
廃材で組み上げた要塞:DIY鶏舎の設計思想
50羽が暮らすメインの鶏舎は、ビニールハウスの骨組みを利用して作りました。
しかし、ただのハウスではありません。鶏たちの習性を第一に考えた「鶏ファースト」な設計になっています。

高さへのこだわり「止まり木」
鶏には「高いところで寝る」という強い習性があります。
止まり木に使っているのは、山で拾ってきた木や、解体現場で譲り受けた廃材の角材です。

下手に低い位置に作ると、糞尿で汚れたり、鶏同士の喧嘩が増えたりします。
高さを出し、立体的に活動できる空間を作ることで、50羽がストレスなく快適に過ごせるようになりました。

あるものを活かした「産卵箱(ネスト)」
卵を産む場所(ネスト)も、もちろん既製品ではありません。
知人から頂いた木の板材や、DIYで余った端材を組み合わせて作りました。

鶏は暗くて狭い場所を好みます。適度な囲いを作ることで、安心して毎日卵を産んでくれる場所を提供しています。
育雛(いくすう)の試練:裏庭デビューと神隠し
今でこそ50羽の大所帯ですが、ここに至るまでは失敗の連続でした。
特に神経を使うのが、ヒヨコから中雛になり、初めて外の世界へ出すときです。

魔の「放牧デビュー」
ヒヨコがある程度大きくなると、日光浴と運動のために鶏舎から出し、裏庭に放します。
しかし、この時期の中雛管理が本当に難しいのです。
- 大人の洗礼(イジメ)
新入りが入ると、先住の大人たちが一斉に突き回します。鶏の世界の順位付け(ペッキングオーダー)は残酷なほど厳しいものです。 - 神隠し(脱走と迷子)
体がまだ小さい中雛は、好奇心旺盛であちこちへ散らばります。
大人の鶏なら夕方になれば勝手に小屋に戻りますが、若鶏はその帰巣本能がまだ弱く、遊び呆けて帰ってこないことが多いのです。
草むらに紛れ込んだ中雛を見つけ出すのは至難の業です。
その結果、目を離した隙に見失い、野良猫に襲われてしまうという悲しい事故も経験しました。
これらの犠牲の上に、現在の監視体制や防獣対策が確立されています。


養鶏2年目のリアル:現在の収穫量
50羽いれば毎日50個の卵がとれる…と思われがちですが、現実はそう甘くありません。
季節や換羽期(羽の生え変わり)の影響もあり、現在の収穫量は1日5〜6個ほど。
少ないと思われるかもしれませんが、これが薬や照明で無理やりコントロールしない「自然な養鶏」のリアルな姿です。
その分、この環境を生き抜いた鶏が産む卵の味は格別です。


これからの展望:北海道の冬を「雪」で乗り切る

これから北海道は厳しい冬を迎えます。
水は凍り、氷点下の世界になりますが、我が家ではヒーターなどは使いません。
なんと、冬の間の水やりは「雪」です。
鶏たちは雪をつついて水分補給をし、たくましく冬を越します。
この驚きの「冬の管理術」や、コストを抑える「発酵飼料レシピ」など、よりディープなノウハウは、これからもこのブログで記録していきます。
100羽を目指して進化を続ける「道南自給ライフ」。これからの更新も楽しみにしていてください。


コメント