こんにちは! kecchiblogへようこそ。
僕の暮らしの主役であり、最も賑やかなパートナーである30羽以上の鶏たち。
彼らが毎日を安全で、快適に過ごせる「家」を作ることは、僕にとって最優先のプロジェクトでした。
今回は、知恵と工夫、そしてたくさんのもらい物で作り上げた、我が家の「鶏舎」について。
なぜこの形になったのかという設計思想から、北海道の厳しい自然環境と戦うためのユニークなアイデアまで、その全貌をご紹介します
設計の原点:北海道の雪と獣から鶏たちを守るために
鶏舎作りで最初に考えたのは、場所です。100羽規模の鶏が暮らせる広さを確保しつつ、北海道の冬の最大の敵である「雪」の影響を最小限に抑えなければなりません。

僕がこの場所を選んだ理由は、雪対策にあります。
片側は川、もう片側は広くスペースが取れるため、屋根から落ちた雪の除雪が非常に楽なのです。
建物の形は、知人から大量に譲り受けたビニールハウス用のパイプを活かせる「ビニールハウス型」に決めました。
コストを抑えられるだけでなく、プロの養鶏家さんでも採用している実績のある形です。
そして、設計における最大の難題が「地面の下からの獣害対策」でした。
キツネやイタチは、わずかな隙間から地面を掘って侵入してきます。
通常は、地面を50cmほど掘ってコンクリートや波板を埋めるのですが、これを一人でやるのは現実的ではありません。
そこで僕が考えたのは、パイプを獣が入れないギリギリの隙間で、地面に直接打ち込んでいくという方法です。

これが、このDIYで最も大変な作業でした。
地面の下にある石に阻まれながら、一本一本ハンマーで叩き込んでいく。
このパイプの壁は高さが1メートルほどあるのですが、結果的にこれが獣の侵入を防ぐだけでなく、鶏舎の下部に常に新鮮な空気が流れる通り道にもなりました。
まさに偶然の産物です。
鶏の習性と自然の循環を活かす工夫
骨組みができれば、あとは網を張り、雨風をしのぐための壁を作っていきます。


「掃除をしない」という選択
鶏舎の内部を作る上で、僕が一番こだわったのが「止まり木」の形です。
鶏は夜、高い場所で眠る習性があるため、止まり木は必須です。
僕の鶏舎の床は土。鶏糞の掃除はしません。
敷き詰めた草や土と混ざり合い、微生物の力で自然に分解され、臭いもなく、そのまま極上の肥料へと変わっていくのです。
そこで僕は、この自然な肥料作りの場を邪魔せず、空間全体を広々と使えるよう、このような形の止まり木を自作しました。

この形なら、鶏たちが自由に動き回れるだけでなく、将来的に肥料を畑に運び出す際も、作業が圧倒的に楽になります。
この手間のかからない「循環」を考えた設計も、僕のこだわりの一つです。

「発酵させない」という選択:餌へのこだわり
平飼い養鶏では、手間ひまかけて発酵飼料を自作して与えるのが良い、という話をよく聞きます。
でも、僕はふと疑問に思いました。
「野生の鳥は、発酵した餌なんて食べているだろうか?」と。
発酵にとって最も重要なのは温度。
そして、その最適な環境は、動物の体内、つまり「腸」です。
僕の考えはシンプルです。
人間がわざわざ発酵させた餌を与えなくとも、発酵の元となるものを食べさせれば、鶏自身の体内で、最も自然な形で発酵が行われるはず。
だから僕は、手間のかかる発酵飼料は作らず、鶏たちが自然界で口にするような、多様な餌を与えることを大切にしています。
完成した楽園と、鶏たちの毎日
そして、ついに鶏たちの新しい家が完成しました。

中には、卵を安心して産めるように、木の温もりがある産卵箱も設置しました。
後に撤去して新しい産卵箱を作りました。
この鶏舎のおかげで、50羽以上の鶏たちが、夏も冬も快適に過ごしています。床に敷き詰めた大量の草は、彼らのベッドであり、遊び場であり、そして糞と共に、やがては土に還り、畑の栄養となります。
厳しい冬、雪に覆われても、この鶏舎は彼らを守ってくれます

この写真を見て、「冬の間、壁がなくて寒くないの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
しかし、僕の考えでは、鶏にとって寒いことより大事なのは、
新鮮な空気です。
空気がこもると病気の原因にもなります。
僕は、鶏たちが常に健康でいられるよう風通しを最優先に考え、壁を完全に塞がないまま一冬を越しましたが、鶏たちは皆、元気に冬を乗り越えてくれました。
参考にした本です。


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